士業事務所が最初に陥る「顧客創造」の罠

ドラッカーは企業の目的を「顧客を創造すること」と定義しています。今やこの言葉は企業のみならず、事業を行うあらゆる組織によって使われています。


士業もマーケティングの時代へ

少し前までの士業事務所においては「顧客創造」のような考え方はタブーでもありました。営業という言葉自体も使われることはほとんどなかったのではないでしょうか。

しかしここ数年のうちに、士業も営業からマーケティングを必要とする時代が到来しています。特に先んじているのは税理士、司法書士、弁護士事務所ではないでしょうか。

また、多角化という経営戦略も動き出しているような印象を受けます。税理士は比較的早い段階から株式会社を設立してコンサルティングを行ったり、保険の代理業を兼ねたりしています。また司法書士でも不動産仲介や遺産整理、遺言信託業に乗り出すところも出始めていますし、弁護士では信託会社を設立したところがあります。これは自分たちの専門性を生かしつつ、新しいサービスと顧客の創造を行おうとしているものです。


成功事例の「猿まね」では可能性は低い

顧客の創造に必要な機能はマーケティングとイノベーションです。しかし残念なことに今、士業事務所で行われている取り組みはこの2つが生かされていると思えないところが多々あります。

先進的な事務所の取り組みや他業種での取り組みを模倣してみるというのが一般的であり、それ以上に進化することがありません。他での成功事例をそのまま引き写して成功する可能性は極めて低いにもかかわらず、すぐに思うような結果が出ない場合は別の成功事例を探し、次々に模倣を無謀に繰り返している方もいらっしゃいます。

たとえ「猿まね」から始めたとしても、自社の強みや顧客に合わせて少しずつ修正していくことが必要不可欠ですが、このことを実践している事務所はまだまだ少ないのが実情です。


マネジメントもマーケティングもイノベーションも、学ぶもの

これは正しいマーケティングやイノベーションの方法を知らないからに他なりません。士業では、最近まで誰もやっていなかったことですし、教える人もいなかったからです。士業において「顧客の創造」は始まったばかりの分野だといえます。

ドラッカーは、マネジメントは学ぶものだと教えてくれました。同じように、マーケティングもイノベーションも学ぶことができます。カリスマも天才も邪魔になることはあっても必要ありません。

弊社も士業事務所がマーケティングやイノベーション、マネジメントを使って、常に「顧客の創造」を行えるよう支援していきたいと考えております。


◆1月22日メンタージャム東京「士業事務所が実行すべきドラッカー経営戦略」
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